光合成細菌(PSB)とは
光合成細菌(PSB)は、光を利用して活動する微生物です。
土や水の中で有機物の分解や微生物バランスに関わり、農業・水質管理・メダカ飼育・畜産などで環境を整える資材として使われています。
自然界でのはたらき
光合成細菌(PSB)は、田んぼ・池・土壌など自然界にも広く存在しています。有機物を分解・循環させる働きを持ち、土壌や水中の微生物バランスを整える役割を担っています。自然の代謝機能によって環境に作用する微生物であることが特徴です。
英語では PSB(Purple non-Sulfur Bacteria)とも呼ばれ、その名の通り紫〜赤色をしているのが特徴です。
主な用途
農業・家庭菜園
土壌中の有機物分解を助け、作物が育ちやすい環境づくりをサポートします。連作で疲れた土の管理にも活用されています。
メダカ・観賞魚の水質管理
飼育水中の有機物分解を助け、水質環境を整えるサポートが期待できます。メダカの稚魚飼育や観賞魚の飼育環境を整えたい方に広く使われています。
水質環境の改善
有機物の分解を助けることで、水の濁りや臭気の抑制が期待できます。農業用水やため池、排水環境など屋外の水環境にも活用されています。
畜産環境
飼料への添加や施設環境の改善に利用されています。菌体にはビタミン・ミネラル・アミノ酸が含まれており、家畜の健康維持への活用も期待されています。
根圏と光合成細菌|あと一歩の品質差は、土で決まる
根の周囲には「根圏」と呼ばれる微生物が集まる領域があります。光合成細菌はこの根圏に作用し、有機物の分解や微生物環境のバランスを整えることで、根が栄養を吸収しやすい状態へ導きます。
肥料だけでは作れない「土の状態」に働きかけ、根が養分を吸収しやすい環境づくりをサポートします。根圏環境を整えることで、地上部の生育や果実の品質づくりにもつながる可能性があります。糖度・香り・日持ち・色味など、品質で選ばれる野菜や果実を目指す農家ほど、肥料だけでなく根圏環境の管理を大切にしています。光合成細菌は、そうした高品質栽培を支える土づくりの一つとして活用されています。
イチゴ・トマト・メロン・スイカなどの果菜類、人参・大根などの根菜類、ブドウ・桃・蜜柑などの果樹において特に多く活用されています。
光合成細菌(PSB)の種類
当店取扱
光合成細菌(PSB)の主なメリット
土壌環境づくり・連作時の管理
土壌中の有機物分解を助け、微生物環境を整えるサポートをします。連作で疲れた土の管理や団粒構造の形成など、作物が育ちやすい環境づくりに活用されています。
作物の生育・品質サポート
根圏環境を整えることで、根張りや栄養吸収をサポートします。果実の糖度や品質づくりにも活用されています。
水質環境の改善
有機物の分解を助けることで、農業用水・養殖・メダカ飼育などの水環境を整えるサポートが期待できます。水の濁りや臭気の抑制にも活用されています。
悪臭対策・堆肥づくり
有機物の分解促進を目的に、畜産施設・堆肥の臭気管理に利用されています。堆肥化を進める環境づくりにも活用されています。
畜産・水産への栄養補助
菌体にはビタミン・ミネラル・アミノ酸が含まれており、飼料への添加による健康維持・生産性向上が期待されています。
光合成細菌(PSB)のにおいについて
一般的に、光合成細菌(PSB)はにおいが強いものと思われがちですが、正しく培養されている状態では、極端な悪臭がするものではありません。発酵由来のにおいを感じることはありますが、強いにおいの主な原因は、培養中に雑菌が増え、光合成細菌よりも優位になってしまうことです。
におい対策として、活性炭や脱臭炭などで、においを一時的に吸着する方法もありますが、雑菌そのものを減らしているわけではありません。そのため、保管中や使用時ににおいが強くなったり、培養時に雑菌が増えやすくなって失敗につながる場合があります。
秀玄では、活性炭や脱臭炭などによる後処理に頼らず、独自の培養環境、光合成細菌に特化した専用培養液、状態を見ながら受け継いできた累代種菌を組み合わせることで、培養段階から雑菌の増殖を抑えています。雑菌を抑え、光合成細菌が優位な状態を保つことで、においを低減しながら、そのまま種菌としての培養にも使用できる高密度の光合成細菌をお届けしています。
光合成細菌(PSB)の色・質感について
光合成細菌(PSB)は、培養が進むと紅色〜紅褐色になります。これは、光合成細菌が持つ「バクテリオクロロフィル」や「カロテノイド」などの色素によるものです。
色の見え方は、光の当たり方や見る角度によって大きく変化します。日光や逆光に透かすと赤色〜オレンジ系に明るく見え、正面から見ると深い紅色〜紅褐色に見えます。室内光や曇天時は暗めに見える場合もあります。同じ原液でも、時間帯・撮影環境・容器の厚みなどによって色味が異なって見えることがありますが、品質上の問題ではありません。
質感については、光合成細菌が優位に増殖した状態では、比較的サラリとした液体になります。菌密度が高く、日に当てても透けないほど濃い状態でも、雑菌由来の濁りや粘性物質が少ない場合は、深い紅褐色でありながら透明感や艶感のある見た目になることがあります。
一方、白濁・灰色っぽい濁り・強いドロつき・不自然な粘性・緑色化などが見られる場合は、雑菌由来のバイオフィルムや藻類・他の微生物の混入・増殖が起きている可能性があります。
なお、紅色非硫黄細菌には多くの菌種が存在し、それぞれ色味や増殖特性が異なるため、すべてが同じ色・同じ質感になるわけではありません。秀玄では、色味・透明感・液体の状態なども培養状態を確認する目安のひとつとして、1点ずつ状態をチェックしてから発送しています。
よくあるご質問
農薬と併用できますか?
農薬を使用する場合は、光合成細菌を散布する前後1週間〜10日程度あけてご使用ください。
除草剤と併用できますか?
光合成阻害型の除草剤とは併用できません。それ以外の除草剤との併用は可能です。
肥料や微量要素との混用はできますか?
一般的には問題なくご使用いただけます。
なぜ培養時に空気を抜くの?
光合成細菌(紅色非硫黄細菌)は酸素がある環境でも生存できますが、酸素が多いと好気性菌などの他の微生物が増殖しやすくなります。これらの菌との競合や代謝産物の影響により、光合成細菌の増殖が抑えられる可能性があるため、容器内の空気をできるだけ抜くことを推奨しています。
※培養完成後はキャップをしっかり締めていれば、内部に多少の空気が残っていても大きな影響はありません。
培養液がpH8前後の弱アルカリ性になるのはなぜ?
光合成細菌の代謝活動が主な原因です。有機物分解の過程でアンモニアが生成されること(弱アルカリ性)、有機酸が消費されて酸性成分が減少すること、光合成によりCO₂が消費されることなどが重なり、pH8前後の弱アルカリ性になることが多いと考えられます。
乳酸菌・酵母菌と一緒に培養できる?
光合成細菌と他の有用微生物を同一容器で培養することは難しく、効率が低下する可能性があります。各微生物が好むpH・光条件・栄養素が異なるため、同時培養では特定の菌が優勢になりやすいためです。培養は別々に行い、使用時に併用することを推奨しています。
人体への影響は?安全?
一般的に、農業・水産分野で利用されるロドバクター属・ロドシュードモナス属などの代表的な光合成細菌には、菌株保存機関でBSL1相当として扱われているものがあります。ただし、すべての光合成細菌が同じ性質を持つわけではないため、飲用はせず、用途に応じて適切にご使用ください。