2023/10/03 12:59

光合成細菌(PSB)を連作障害の対策に活用!連作障害の原因や防止対策とは?

連作障害の種類には土壌病害・生理障害・線虫害などが挙げられ、原因として土壌成分の偏りや土壌環境の悪化が考えられます。連作障害を防止する方法として、光合成細菌(PSB)の活用も検討してください。


土壌環境が原因?連作障害が起きる原因と対策方法を解説

「去年と比べて収穫量が少なくなった」「うまく育たず、急に枯れてきた」「病気が増えてきた」など、このような現象が起きた場合、もしかすると連作障害が発生しているかもしれません。こちらでは連作障害の種類や原因、対策方法などをご紹介します。

連作障害の種類

連作障害は、同じ作物を同じ場所で連続して育成した際に発生する障害です。具体的には作物の生育悪化や病気などが該当します。連作障害が生じると作物の収量や質が低下するおそれがあります。主な症状には土壌病害・生理障害・線虫害が挙げられます。

・土壌病害

土壌中に生息する菌類(カビなど)や細菌、ウイルスなどの病原体が増殖し、作物に侵入して病気を引き起こす障害です。代表的な病害は青枯れ病・つる割病・根こぶ病・半身萎凋病などがあります。

・生理障害

生理障害とは、温度変化や降水量、日射量などの環境的な要因によって引き起こされる障害です。連作障害の場合、主に土壌養分の偏り(不足または過剰)によって症状が現れます。窒素過剰、カルシウムやマグネシウムの欠乏などが主な障害として知られます。

・線虫害

土壌中に生息する線虫によって引き起こされる病害です。線虫は作物の根に穴を開けて、栄養を吸収することで作物を弱らせます。線虫の被害を受けると立ち枯れ、しおれ、根腐れなどの症状が起こり、生育不良や収量低減などの原因となるのです。ただし、線虫は種類が非常に多く、悪玉だけでなく善玉も存在します。いかに悪玉を抑制できるかが重要な鍵となります。

連作障害の原因

・土壌養分の偏り

同じ作物を同じ場所で継続して育てると、特定の栄養素ばかりが吸収されるため、徐々に栄養素が不足していきます。その結果、栄養不足による育成不良や病害が引き起こされます。

・土壌環境の悪化

連作で土壌中の栄養素が偏ったり、土壌環境に変化が生じたりしたことで、病害虫が増殖する場合があります。また、土壌の生態系が変化し、有益な微生物が減少することも原因の一つです。病害虫によって土壌の健康状態が損なわれると、作物の免疫力や抵抗性が低下し、生育に悪影響を及ぼすリスクが高くなります。

連作障害の対策方法

連作障害の対策として以下のような方法が挙げられます。

・輪作

連作障害を防ぐ一般的な方法は輪作です。同じ作物を連続して栽培するのではなく、毎年異なる作物を一定のローテーションで栽培することを指します。輪作により、土壌養分のバランスがキープされ、特定の栄養素が過不足になるといったトラブルを防げます。

・有機物の投入

作物が健全に成長するには、多様な生物が生息する土壌環境が必要です。土壌に無機質な肥料ばかり投入していると、栄養の偏りや通気性の悪化、土壌の硬化などが起こり、微生物が生息しにくい環境になるおそれがあります。堆肥や有機肥料を投入すると、それらが餌となって土壌中の微生物や菌の活動を活発化させます。

・光合成細菌の活用

光合成細菌は太陽光を利用して有機物や無機物を分解し、土壌の改良に寄与します。ビタミンやアミノ酸が多く含まれており、土壌に添加することで微生物の多様性を促進し、土壌の健康を維持します。また微生物環境が改善され、土壌の栄養バランスが整う効果が期待されます。連作障害の予防に効果的です。土中で有機リンを分解する働きに寄与するため、土壌の肥沃化も期待できます。さらに、連作による病害やストレスに対する耐性が増す点もメリットです。