2023/10/03 12:47

光合成細菌(PSB)を防除対策に活用!病害が発生する原因や環境とは?

作物に病害が生じる原因には病原菌や環境などが挙げられます。病原菌は菌類・細菌・ウイルスなど、環境は高温多湿かつ密集した状況などです。作物の防除対策として光合成細菌(PSB)を活用する方法があります。

微生物だけが農業病害の原因ではない!病害が発生する原因と環境

畑の作物の育成において「いかに病害を防ぐか」は極めて重要な課題であり、農業を営む方々の悩みの種ではないでしょうか。病害を防ぐためにも、まずは病害が発生する要素と病害が発生しやすい環境を理解することが大切です。

病害が発生する主な要因

病害の発生要因として以下が挙げられます。

・病原菌

病気の原因となる微生物です。それぞれ異なる生態や特性を持ち、生息地も土壌中や作物の表面など様々です。病原菌ごとの感染源や侵入経路に応じて、適切な対処や予防方法を実践しなければなりません。

・作物の耐性

作物ごとの耐性も病害に影響する要素の一つです。病原菌に対する耐性が高い場合、病原菌に感染しても発症しない、もしくは軽度の症状で済むことが多いです。しかし、耐性が低い場合は感染すると早期に重篤化するおそれがあります。特定の病原菌には強いが他の病原菌には弱いケースもありますので、作物と病原菌の関係性を把握することが大切です。

・環境

気温・湿度・降雨・日照時間などの環境変化は、病害の発生に大きく影響します。病原菌は特定の環境下で増殖あるいは減少するためです。中でも多湿環境下で繁殖しやすい病原菌が多いため、調湿管理は重要といえるでしょう。

病害発生の原因となる微生物

病害の直接的な原因は菌類や細菌、ウイルスなどの微生物です。

・菌類(カビ)

作物に発生する病害の8~9割は菌類によるといわれています。多くの種類が存在しますが、その中でもカビが最も一般的な病原菌です。作物の表面や組織内で繁殖し、葉や茎、根などの腐敗や病変を引き起こします。また、菌類は湿度の高い環境で繁殖しやすく、雨による泥はねなどで感染してしまうケースも少なくありません。

・細菌(バクテリア)

細菌は顕微鏡でなければ確認できないほど、非常に小さな単細胞生物です。感染速度が早く、作物の組織に感染すると病気による被害が一気に拡大するおそれがあります。細菌性病害は土や水を伝って作物の様々な部位の組織内に侵入し、病害を引き起こしますので注意が必要です。

・ウイルス

細菌よりもさらに小さい感染性の病原体です。作物の細胞内で増殖し、様々な病気を引き起こします。ウイルスは自力での移動や増殖はできませんので、小動物や昆虫など他の生物に寄生し、運んでもらうことで感染していくのが特徴です。

病害が発生しやすい環境

高温多湿や作物が密集しているような環境では、病害が発生しやすくなります。

・高湿度や高温

病原菌やカビの増殖に大きな影響を及ぼすのは湿度と温度です。湿った環境は病原菌やカビの繁殖に適しており、感染や病気の拡大を助長します。そのため、排水不良などで畑の土が過湿状態になると病気の発生リスクが高まるのです。また、一部の病原菌やウイルスは高湿度よりも高温下で活発になり、感染力が高まることがあります。

・作物の密集

株間が狭いなどの理由から間引きが不十分で、作物が密集状態になると風通しが悪くなり、湿度が上昇しやすくなります。病原菌やウイルスの増殖が促進され、感染リスクが高まるおそれがあります。また、密集することで一つの作物から他の作物に病気が広まってしまう懸念も考えられます。


作物を病害から守る新たな道!光合成細菌で病害を防ごう!

健全な作物を育てるためには防除などの対策が欠かせません。病害の発生要因やメカニズムなどを把握し、適切な対策を実施することが重要です。近年は対策として、光合成細菌を活用する方法にも注目が集まっています。